1. はじめに
今日は「脱水」についてお話しします。
暑くなる季節には、知らないうちに水分が足りなくなって、体調を崩すことがあります。
認知症のある方は、「のどの渇きに気づきにくい」、「水を飲むのを忘れてしまう」などの理由で、脱水になりやすいといわれています。
2. 脱水とは?
脱水とは、体の中の水分が足りなくなる状態のことです。
汗、尿、呼吸などで毎日水分は失われていきます。
特に暑い時期は、水分が体から出ていく量が増えるため、注意が必要です。
3. 脱水のサイン

4. 脱水を防ぐには?

- こまめに水分をとる(のどが渇く前に!)
- 1日 1.2〜1.5リットルを目安に(お茶・水・味噌汁・果物も含めてOK)
- 好きな飲み物を準備(冷たい麦茶、ゼリー飲料、スープなど)
- 室内の温度管理(エアコンや扇風機を使って涼しく)
- 外出時は帽子・日傘などで直射日光を防ぐ
5. 認知症の方に配慮してできること
水分摂取量を「見える化」
・水分チェックカレンダーを作成し飲んだらチェックを入れてもらう
・メモリ付きボトル/ペットボトルで可視化する
・1回ごとに飲んだ分のコップの数を記録する
・飲む時間を10時、12時、15時…とタイムスケジュール化する
1人でも飲みやすくする工夫
・軽くて持ちやすいコップやストロー付きボトルを利用する
・温かい飲み物/冷たい飲み物を季節に応じて常備する
・ジュレタイプの水分補給ゼリーを使う
・飲みやすいように、薬と一緒に水を摂る時間を設ける
・お気に入りの味や器を使うことで「楽しい」「おいしい」と感じられるように工夫する
認知機能が低下している場合の配慮
・目のつく場所にコップをおく
・タイマーや音声アラームで「お水の時間です」とお知らせをする
・音声付き機器(スマートスピーカーなど)で声かけ
・冷蔵庫に「お水を飲みましょう」と目立つように視覚的に工夫する
周囲による見守り、フォロー
・ご家族やご近所、ヘルパーなどによる定期的な声かけ
・週1回でも「水分取れているかな?」と体調をチェックする
・訪問時に一緒に水分補給をする
6. ご家族へのメッセージ
脱水は予防が一番大事です。ご本人の行動や様子を観察しながら、さりげなく支援していきましょう。体調が急に変わったときは、「脱水かも?」と考えて、まずは水分をとらせることも大切です。
7. おわりに
脱水は誰にでも起こるものですが、認知症のある方は特に気をつけてあげたいところです。こまめな水分補給と周囲の見守りで、暑い夏を元気に過ごしましょう!