はじめに

2025年4月19日のももカフェでは、アロマ療法についての情報提供とハンドマッサージ、香りを楽しむセッションを盛り込んだアクティビティを導入する予定にしています。ひと足早く、アロマ療法に関する記事をアップしますね。
アロマ療法と認知症
アロマ療法は、精油(エッセンシャルオイル)の香りを使って心身をリラックスさせたり、気分を改善したりする方法です。認知症の方にもアロマ療法は有益であるとされ、特に「嗅覚」が関係しています。
嗅神経とその働き
人間には「嗅覚」という感覚があり、鼻を通じて香りを感じ取ります。嗅覚は、香りの分子が鼻の奥にある「嗅覚受容体」に届くことで感じられます。そして、嗅覚信号は「嗅神経」を通って脳の「嗅覚球」へ伝わり、最終的には「大脳辺縁系」に到達します。この「大脳辺縁系」は、感情や記憶を司る部分です。
認知症の方は、記憶や感情の処理に関わる脳の働きが弱まっていることが多いですが、嗅覚は他の感覚に比べて脳に直接的に伝わるため、アロマ療法が効果的と言われています。
香りから得られる効果
アロマの香りは、認知症の方にさまざまな良い影響を与えることが確認されています。
1. リラックス効果
香りには、心を落ち着かせる効果があります。例えば、ラベンダーの香りはリラックスを促進し、ストレスを軽減します。認知症の方は、時に不安や興奮を感じやすいことがあるため、リラックスできる環境を作るのに有効です。
2. 記憶や感情の刺激
香りは感情や記憶に強く結びついています。例えば、特定の香りを嗅ぐと、過去の思い出が呼び起こされることがあります。認知症の方にとって、過去の思い出を呼び起こすことで、安心感や喜びを感じることができる場合があります。
3. 気分の改善
柑橘系の香り(オレンジやレモンなど)は、気分を明るくし、元気を取り戻させる効果があります。認知症による気分の落ち込みや無気力感を改善するのに役立ちます。
4. 睡眠の質向上
ラベンダーやカモミールなどの香りは、リラックスを促進し、深い睡眠をサポートします。認知症の方にとって、質の高い睡眠は重要な要素です。
5. 身体的なリフレッシュ
ペパーミントやユーカリの香りは、体をすっきりとさせる効果があります。特に、軽い疲れを感じている方には、香りでリフレッシュできることがあります。
アロマ療法を取り入れる方法
認知症カフェでアロマ療法を取り入れる際には、以下のような方法があります。
- ディフューザーやアロマポットで香りを拡散
空間全体に香りを広げることで、リラックスできる環境を作ります。

- ハンカチやティッシュに香りをつける
手軽に香りを感じられる方法で、個別に香りを楽しんでもらいます。
- アロマオイルを使ったマッサージ
参加者の方に軽いマッサージを行いながら、アロマオイルを使うことで、リラクゼーション効果を高めます。

アロマ療法は、認知症の方の感情や記憶に良い影響を与え、心身ともにリラックスできる方法です。上記の他にも飲み物で楽しんでみたり、植物の香りを楽しんだりすることでも気軽に生活の中に取り入れられると思います。