認知症の方の健康管理は無理をしない、毎日の小さな工夫で
この記事では、冬に気をつけたい認知症の方の健康管理についてまとめています。
私たちがふだんの関わりの中で相談を受けることが多い内容です。認知症の方との関わりの中で、なにか参考になることがあるかもしれませんよ。
なぜ認知症の方は冬なると元気がなくなったように見える?
冬になると、こんな変化が起こりやすくなります。
- 外に出る機会が減る
- 家の中でじっとしている時間が増える
- 声かけをしても動き出すまでに時間がかかる
- なんとなく元気がない、表情が乏しい
- 物忘れが進んだように感じる
ご家族からは
「寒くなってから、動かなくなった気がする」
「冬は認知症が進んだようで心配」
という声をよく聞きます。
冬は“動きにくく・感じにくく”なる季節です
冬に発動性や認知機能が落ちやすい背景には、いくつかの理由があります。
- 寒さによる活動量の低下
外出や歩行の機会が減り、身体への刺激が少なくなる - 日照時間の短さ
体内リズムが乱れ、眠気・意欲低下につながりやすい - 人との関わりの減少
会話や交流が減ることで、脳への刺激も減る - 「寒い」「動きにくい」をうまく言葉にできない
不調があっても訴えにくく、さらに動かなくなる
これらが重なることで、
「気力が落ちる → 動かない → 刺激が減る」
という流れが起こりやすくなります。
ご家族の負担を増やさず、できることから対策をしてみては?
大切なのは、
「運動をさせなきゃ」「外に連れ出さなきゃ」
と気負わないことです。
① 外出できない日は「生活の中で動く」
- 洗濯物を一緒にたたむ
- テーブルを拭く、新聞を取りに行く
- お茶を入れてもらう
👉 “運動”ではなく、“役割”として動くのがポイントです。
② 声かけは「促す」より「誘う」
✕「歩こう」「動いて」
〇「ちょっと一緒に来てくれる?」
〇「これ、手伝ってもらえると助かるな」
命令や正しさより、安心感と一緒に動く感覚を大切にします。
③ 家の中でも「季節を感じる」
- 窓際で日光に当たる時間をつくる
- 冬らしい音楽を流す
- 温かい飲み物を一緒に楽しむ
感覚への刺激は、認知機能へのやさしい働きかけになります。
④ 無理のない外出は「目的を短く」
- ポストまで
- 近所の自販機まで
- コンビニで温かい飲み物を買う
「散歩」ではなく、用事がある外出にすると受け入れやすくなります。
⑤ ご家族自身も“頑張りすぎない”
冬は介護する側も疲れやすい季節です。
- できない日があっても大丈夫
- 昨日より動かなかったとしても、責めない
- 「今日はゆっくりでいい日」と決める日があってもいい
介護する人の余裕が、いちばんの安心材料になります。
もともと外出する機会のない人は
週に何回がデイサービスに行っているけど、それ以外は外出する機会の少ない方もいると思います。
月に1回、ももカフェのような家族と一緒に参加できる認知症カフェは、外出して良い刺激を受ける機会にもなります。
実際、私たちの認知症カフェに来ている方、これまで来られてきた方の傾向を見ても、認知機能の状態を長く維持できていることが多いように感じます。家族も一緒に参加するメリットは大きいようですね。
